紅生姜というものは、およそ主役にはなり得ないものだと思っていた。
牛丼屋で牛丼を食うとき、紅生姜が入った容器から銀色の小型のトングのようなものを少し開き加減にして、できる限り多めにつかんで丼によそう。豚骨ラーメンを食うときに紅生姜を入れるのは絶対にはずせない。あとなんだろう、焼きそばに紅生姜かな・・・なんて考えながら家の冷蔵庫にも紅生姜があるのだが、それはあくまで博多ラーメンやソース焼きそばの引き立て役としての存在であった。
それが突如として主役へ踊り出たのである。
その衝撃はある日突然起こった。
ある日の昼下がり、腹が減ったので近くの立ち食い蕎麦屋へ行ったのだが、そこに「紅生姜天ぷら蕎麦」なるものがメニューにあった。
珍しさも手伝ってその新作なるソバを試しに食ってみた。
これがまた、美味いの美味くないのって・・・・・ こりゃ間違いなく紅生姜が主役だわ・・・・
近年最高傑作の天ぷらそばだって思っています。
是非皆さんも機会があればお試しください。ちなみに立ち食い蕎麦屋とは「富士そば」です。