行政システム株式会社

Topics 来庁者の手書き負担と、職員の確認業務を軽減 -岐阜県岐阜市

「MAINAPIT Pro-マイナピットプロ」導入半年で、申請書確認業務を約240時間圧縮

住所・氏名を何度も書くケースも
手書きの負担と受付時間の長さが課題だった

岐阜県の南部に位置し、40万人近くの市民が暮らす岐阜市。斎藤道三や織田信長ゆかりの岐阜城がそびえる金華山(きんかざん)、伝統漁法「鵜飼い」を鑑賞できる清流・長良川など、歴史的文化遺産と自然の共存が美しい街です。近年は外国人住民や高齢者が増加傾向にあり、市役所では窓口での負担を減らすことが課題のひとつとなっていました。そこで導入したのが、申請書作成支援システムである「MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-」です。

「従来活用してきた手書きの申請書は、住所や氏名、生年月日を来庁者自身が記載する必要がありました。高齢者や手書きが困難な方のほか、外国人にとっても手書きは負担がかかるものでした。時間をかけて作成しても記入欄が間違っていたり、内容に誤りがあったりした場合には、申請書を正しく作成するためのやり取りが再び必要となり、窓口での受付時間が長くなってしまうこともありました」(岐阜市 市民協働生活部 市民課 管理係 松山裕次氏)

申請書にはさまざまな種類の形式があり、一度書いた氏名や住所を何度も書かなければならないケースも出てきます。繰り返しの作業が発生していたことも、市民の方々にとっての負担となっていたそうです。

「より早く、正確に申請を受け付けるため、来庁者と職員双方にとって、手書きから生じる負担を減らすことの重要性を感じていました」(松山氏)

岐阜市 市民協働生活部 市民課
管理係 松山裕次氏

操作を間違えにくい画面設計を重視
カスタマイズの自由度の高さとわかりやすいデザインが決め手に

こうした状況を踏まえ、岐阜市では令和5年度に、手書きの負担を減らす“書かない窓口”実現を目指したシステム選定を開始。その際、いくつか重要視したことがあったと、松山氏は振り返ります。

「まずは読み取りの精度が高いことが必須の要件でした。住所・氏名・生年月日といった基本情報について、券面からではなくマイナンバーカードのICチップ内部の情報を取得できる製品を中心に検討しました。

次に、システム画面をわかりやすく設定できることです。当市の場合は、住民票の写しをはじめとした証明書の交付申請書や、マイナンバーカード更新手続きに関連する申請書など、申請書ごとに異なる設問・画面遷移のしくみをつくる必要がありました。どの申請書を出力する場合でも、来庁される方が操作しやすく、間違えにくい画面にできるかは重要なポイントでした」(松山氏)

実機デモを含めた検討の結果、複数の申請書それぞれに沿った形で見やすく画面をカスタマイズできる「MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-」の導入を決定しました。

「帳票の種類が変わっても、画面のレイアウトは一律という製品も少なくないなか、行政システム担当者からの『どのようにもカスタマイズできます』という言葉は心強く感じました。担当者と検討を重ね、各申請書に必要な項目を整理したので、初めて利用する方でも迷わず操作できる画面を構築できました」(松山氏)

動線を考慮した「MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-」移設が奏功
半年で約1万4,500件の利用につながった

窓口でのみ本人確認を行うなど、来庁から受付までのフローを決定したうえで、運用がスタートしたのは令和6年10月。導入した当初、利用率がすぐには上がらなかったそうですが、設置場所を変えたことで大きく効果があらわれたそうです。

「当初の動線では、まず来庁者の目に入るのは記載台でした。『MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-』の存在に気付く前に申請書を記入される方が多かったためか、なかなか利用が進みませんでした。そこで、『MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-』を受付番号発券機の横に移動。これにより利用率が一気に上がり、置き場所ひとつで利用率が大きく変わることを実感しました。スタンドアローンのシステムなので、コンセントさえ確保していればすぐに別の場所に設置しなおせるのは魅力ですね」(松山氏)

運用開始から半年が経過し、これまでに1万4,500件あまりの申請書が「MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-」から作成されました。

「利用した来庁者からは『便利になった』『手書きがなくて楽』『申請手続きが早くなった』といった声をいただいています。

来庁者の負担を軽減するだけでなく、申請書の確認にかかる時間が短縮され、職員にとっての効果もあると実感しています。平均して1件あたり約1分短くなったと仮定すると、この半年間で約242時間を短縮できた計算です。来庁される方々にとっても職員にとっても、なくてはならないシステムになりました」(松山氏)

「MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-」が申請書のあり方を見直すきっかけに
マイナンバーカードの利便性アピールの一翼も担う

松山氏は、導入・運用を通して、行政システムの担当者を高く評価しているといいます。

「システム構築の検討段階から親身に相談に乗ってもらいました。画面遷移や設問などで修正のやり取りも何度かありましたが、迅速かつ丁寧に対応してくれたので、とてもありがたく、心強い存在でした。お互いに意思疎通を図りながら進めていけたので、試行錯誤しながらも目指すシステムの形をつくれたと思っています」(松山氏)

また、「MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-」の導入により、申請書の内容や来庁者の動線など、従来の業務フローを見直すきっかけにもなったそうです。

「これまでは、来庁者にまず記載台をご案内して『わからないことがあったら聞いてください』とお声がけしていました。システム導入後は、『マイナンバーカードをお持ちであれば、MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-の方へどうぞ』とご案内しているので、マイナンバーカードの利便性を市民のみなさまにアピールする機会にもなっています。

申請書のあり方を見直していくためにも、現行のフローに満足せず、より多くの来庁者に『MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-』をご利用いただくしくみをつくり、書かない窓口を推進していきたいと考えています」(松山氏)

<取材日:2025年5月9日>

ご導入製品

MAINAPIT Pro-マイナピットプロ-申請書自動作成システム

本製品は、マイナンバーカードを自治体庁舎内で有効活用できる機会を創出するとともに、煩わしい手書きによる申請書作成を自動化し、かんたん且つ効果的に住民サービスの向上を実現することができるパッケージ製品です。

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